ユウ動物病院
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食欲の秋に気をつけたいこと

朝晩が冷え込み、秋らしさを感じる季節になりました。人も動物たちも過ごしやすくなり、「最近よく食べるようになった」「おねだりが増えた」など、食欲が戻ってきた子も多いのではないでしょうか。でも実はこの時期、「食べすぎ」や「肥満」によるトラブルが増えてくる時期でもあります。

🟡食欲旺盛=元気?それとも注意サイン?

「ごはんをよく食べる=健康」と思いがちですが、そうとは限りません。いつもより食欲が強くなったり、フードを探すような行動が見られたりする場合、ホルモンや代謝の異常が関係していることもあります。

中高齢の犬猫では、甲状腺機能の異常・糖尿病・クッシング症候群などの病気が、食欲の変化として現れることがあります。食欲があるのに体重が減る、たくさん水を飲む、尿量が増えるなどの症状が見られたら、早めの検査をおすすめします。

特に高齢の猫では「食べるのに痩せる」ケースが多く、甲状腺機能亢進症や腎臓病が隠れていることも。「まだ元気だから」と様子を見てしまうと、進行してから気づくこともあります。

🟡「食べすぎ注意!」秋は肥満シーズン

秋は食欲が出るだけでなく、お散歩の時間が長くなり「ごほうび」や「おやつ」が増える傾向があります。1日のおやつの量が少しずつ積み重なることで、気づかないうちに体重が増えてしまうことも。

体重が増えると関節や心臓への負担が大きくなり、膵炎・脂肪肝・糖尿病などのリスクが高まります。理想は「おやつは1日のカロリーの10%以内」。おやつを与えた時はその分ごはんを少し減らす、などバランスをとりましょう。

体型の目安は“上から見てくびれがあるかどうか”。背中やあばらを軽く触れて感じられるくらいが理想です。美味しく食べていても、くびれがなくなったらダイエットが必要なサインです!

🟡秋の味覚、与えていい?ダメ?

秋の味覚、これからどんどん美味しくなりますね。

りんご・梨・みかん・柿などは、少量を与える分にはOKです。皮を剥き、種をとってあげましょう。注意点として、未熟な柿や渋柿は嘔吐や下痢を引き起こす可能性があるので完熟したものを選ぶこと・干し柿は甘みが強くカロリーが高いので避けることが大事です。これらの果物は食物繊維やビタミンが豊富で、便通や皮膚の健康維持にも役立ちます。

また、さつまいも・カボチャなどはしっかり火を通し、冷ましてからあげましょう。干し芋は、カロリーが高いので少量をご褒美などに使うと良いでしょう。

ぶどう・栗の渋皮・きのこの一部などは中毒を起こすことがあります。甘栗は与えても大丈夫ですが、丸飲みして食道に詰まったりする危険もあるので、小さくカットしてあげましょう。与える前に安全かどうか、調べて確認をしてあげてください。

そして、一番大切なのは「体との相性」です。美味しく食べても嘔吐や下痢をしてしまったり、体の痒みや顔の腫れが出るようなら、すぐに獣医さんに相談しましょう。

🟡食欲の変化は“健康のバロメーター”

食欲があるのは元気な証拠でもありますが、「増えすぎ」も「減りすぎ」も注意信号です。
「おやつをあげても食べない」「フードを選り好みするようになった」などの変化も、胃腸トラブルや歯周病、内臓疾患のサインかもしれません。秋は季節の変わり目で、夏の疲れが出やすい時期。不調を見逃さないためにも、血液検査や体重チェックなど、秋の健康診断をおすすめします。

食欲の秋は、動物たちにとっても嬉しい季節。おいしいものを楽しみながら、健康を守るために「食べる量・内容・変化」を意識してみましょう。