そのかゆみや赤み、
ただの掻きすぎではない、かも…
犬や猫に現れる皮膚病について
愛犬の皮膚に潜む、見えないストレスサイン
「最近やけに体をかくなぁ…」
「お腹に赤みがある…」
「なんだかフケが増えた気がする」
そんな“ちょっとした変化”に、心当たりはありませんか?
皮膚は「体の鏡」とも呼ばれる大切な臓器。犬の皮膚は人間の1/5ほどの薄さしかなく、外部からの刺激にとても敏感です。
アレルギー、細菌、カビ、環境ストレス――原因はさまざまですが、皮膚トラブルは、犬にとって“日常を脅かすストレス源”にもなり得る深刻な症状です。
最初はかゆみだけだったのに、気づけば炎症や脱毛に。見た目の異変だけでなく、眠れないほどのかゆみや、触れられるのを嫌がる不快感など、生活の質そのものに影響を与えることもあります。
このページでは、特に犬に多く見られる代表的な皮膚病を、「どんな病気?」「どんな症状?」「どんな治療?」という3つの視点から、わかりやすくご紹介します。
「うちの子もそうかも」と感じたら、早めの受診がカギです。
皮膚の主な病気
アトピー性皮膚炎
体が「敵」と間違えて戦ってしまうアレルギーの病気
どんな病気?
アレルギーの原因となるハウスダスト・花粉・ダニ・カビなどに対して免疫が過剰反応し、慢性的なかゆみや炎症を起こします。 遺伝や皮膚のバリア機能の弱さも関与しており、「完治」ではなく「うまくつきあう」病気です。
主な症状
- 顔・指先・脇・腹部・お尻などの赤み・かゆみ
- 前足や肉球をしきりになめる、かむ
- 慢性的な外耳炎やにおい
- 色素沈着や苔癬化(皮膚が厚くゴワゴワする)
主な治療法
-
かゆみを抑える
内服薬・外用薬 -
スキンケア
(保湿・バリア改善) -
アレルゲンの除去
(環境の見直し・アレルギー対応フード) -
症状が重い場合は
アレルギー検査・免疫療法
膿皮症(のうひしょう)
「いつもいる菌」が、皮膚バリアの崩れを狙って悪さをする
どんな病気
皮膚に常在するブドウ球菌が、免疫の低下や湿気・傷などの影響で異常に増殖し、炎症を起こします。特に子犬やシニア、皮膚が弱い体質の子でよく見られます。
主な症状
- 赤み、湿疹、かさぶた ・脱毛を伴うことも
- フケやにおい、かゆみ
- 見た目は軽症に見えても、皮膚の深部に広がることも
主な治療法
-
抗菌薬の内服・外用
-
薬浴(抗菌シャンプー)
-
原因除去と
皮膚バリアの再構築
マラセチア性皮膚炎
脂っぽさと独特なにおいがサイン。湿気の多い季節に注意!
どんな病気?
マラセチアというカビの一種が、湿気や皮脂分泌の多い部位で異常に増え、皮膚炎を引き起こします。脂漏体質の子や、耳のトラブルが続く子では特に注意が必要です。
主な症状
- 赤み、湿ったフケ、べたつき
- 独特の脂っぽいにおい
- 耳・顔・指間・お腹・脇などのかゆみ
- 皮膚の黒ずみや厚くなる変化
主な治療法
-
抗真菌薬の内服・外用
-
マラセチア
専用シャンプー -
皮膚の通気性改善、
清潔な環境維持
薬浴とマイクロバブルで、肌にやさしいスキンケアを
皮膚病は、薬だけでなく「洗い方」も重要な治療の一部です。当院では、皮膚の状態に合わせた薬浴(薬用シャンプーによる洗浄)と、マイクロバブルによる毛穴ケアを組み合わせたスキンケアをご提供しています。
薬浴とは?
皮膚の炎症やかゆみの原因をやさしく洗い流す治療法。 薬剤の選定は皮膚の状態や原因菌により異なるため、獣医師の指導のもと行います。
マイクロバブルとは?
人の目に見えないほど微細な泡が、毛穴の奥に詰まった皮脂や老廃物をやさしく除去します。 ブラシやタオルでこする必要がないため、皮膚が薄く敏感な子でも安心です。
こんな子におすすめ
- かゆみや赤みが続いている
- フケや脂っぽさが気になる
- 再発しやすい皮膚病がある
- おうちでのシャンプーが難しい
- 清潔を保ってニオイを抑えたい
皮膚トラブルは再発を繰り返しやすく、治ったように見えても油断禁物。適切なケアと予防を継続することで、皮膚のバリア機能は徐々に整っていきます。
まずは皮膚の状態をチェックし、その子に合ったケア方法を一緒に見つけましょう。
飼い主さまへ
皮膚病の治療には、「時間」と「パートナー(=飼い主さま)の協力」が欠かせません。途中で治療をやめてしまったり、間違ったスキンケアをしてしまうと、かえって症状をこじらせてしまうこともあります。
大切なワンちゃんネコちゃんの”心地よい毎日”のために。 わたしたちと一緒に、かゆみのない、笑顔のある暮らしを取り戻していきましょう。
当院お勧めのシャンプー&スキンケア製品
犬猫用シャンプー
シャンプーは品種、季節、肌の質で変わります。最適なシャンプーを処方いたします。
ふけ・かゆみ防止と殺菌消臭
酢酸クロルヘキシジンシャンプー
| 主成分 | 酢酸クロルヘキシジン |
|---|---|
| 界面活性剤 | ー |
| 主な効果・特徴 | 洗浄、フケ痒みの防止と殺菌消臭・膿皮治った後の維持・再発性膿皮症の再発率下げる・泡立ちが良い・刺激、洗浄力強め(ノルバサンと競合) |
オートミール配合!敏感肌の犬・猫へ
アラダーム センシティブスキン エピスース®
| 主成分 | コロイド状オートミール、単糖類、ボルド葉抽出エキス、セイヨウナツユキソウ抽出エキス |
|---|---|
| 界面活性剤 | アミノ酸系 |
| 主な効果・特徴 | ペプチドテクノロジーを採用。天然成分が、皮膚常在菌のバランスを整えます。敏感肌にも安心して使用できる、やさしい青リンゴの香りのシャンプー |
角質層の健康維持に!脂漏素因の子へ
ケラトラックス
| 主成分 | サリチル酸リチウム、グルコン酸亜鉛、必須脂肪酸など |
|---|---|
| 界面活性剤 | 非イオン系、アミノ酸~石鹸系 |
| 主な効果・特徴 | サリチル酸が角質層へ浸透することで、角質が柔らかくなり、肌の余分な脂をすっきり洗い流します。 |
アトピー・敏感肌に◎
アデルミル
| 主成分 | セラミド、コレステロール、必須脂肪酸 | |
|---|---|---|
| 界面活性剤 | 非イオン系、アミノ酸~石鹸系 | |
| 主な効果・特徴 | 保湿、炎症緩和・シャンプー後すぐに痒がる犬・経口脂肪酸製剤で消化器症状出る犬・アトピー素因などのアレルギー体質・敏感肌 |
香りも人気です♪特にトラブルの気にならない子へ。皮膚バリアを守ります
EFAシャンプー&EFAコンディショナー
- 被毛のトラブル、ダメージが気になる動物の被毛ケア及びスキンケアに
- “皮膚がうすい”アトピー素因の敏感肌の角質層バリア機能維持に
- シャンプー療法(特に脱脂系シャンプー)の際、被毛のバサツキ、脱脂過剰の補整に
犬用シャンプー
マラセチアによる皮膚炎に
マラセキュア
| 主成分 | クロルヘキシジングルコン酸、ミコナゾール硝酸塩2% |
|---|---|
| 界面活性剤 | 非イオン、第4級カチオン |
| 主な効果・特徴 | マラセチア皮膚炎の原因菌の異常増殖を抑制 (※病気を治すものではありません) |
犬猫用保湿剤
ヒュミラック
| 主成分 | 尿素 乳酸など |
|---|---|
| 界面活性剤 | 非イオン、第4級カチオン |
| 主な効果・特徴 | 強い保湿・カチカチの乾燥・ドライスキンやシャンプー後、乾燥強い |
「医療レベルの清潔」を保つためのスキンケア
リバイオエピ
細菌叢のバランスが崩れバリア機能の低下した皮膚コンディションを整える、スプレータイプの新世代皮膚トリートメント
- 銀イオン配合
銀イオンは、耐性菌発生のリスクが低く、安全性の高い抗菌素材として浄水器や創傷ケア・整形外科などの医療現場でも広く活用されています。 - スプレーによる「塗布」
リバイオエピの使用方法は、「洗浄」ではなくスプレーによる「塗布」。これにより、飼い主の負担を最小限にすると同時に、 シャンプーのように水で洗い流さないため、世界的に問題視されている環境汚染の問題も発生しません。 - 細菌叢のバランスを崩さない皮膚コントロール
皮膚へのダメージや耐性菌発生のリスクを極めて低く抑えたアプローチです。
犬猫用プレベイジング
いつものシャンプー前に追加するだけ♪
ナノベイジング
- 皮脂汚れをナノサイズに分解し、皮膚・被毛に負担をかけずにきれいさっぱり落とします
- スプレーによる「塗布」
リバイオエピの使用方法は、「洗浄」ではなくスプレーによる「塗布」。これにより、飼い主の負担を最小限にすると同時に、 シャンプーのように水で洗い流さないため、世界的に問題視されている環境汚染の問題も発生しません。 - 100%植物由来で、皮膚にも地球にも優しい成分
スキンケア
ラテスパペット
オゾンを活用した安心・安全のペット向けエステ技術。オゾンの除菌と脱臭効果で皮膚のトラブル改善や見た目の美しさに効果が期待できます。
マイクロバブル
「辛い痒みを和らげてあげたい」「長い間使っている皮膚病薬を減らしたい」という飼い主さんのお声や痒み・べたつき・ニオイで毎日を不快に過ごしている動物たちに有効な皮膚洗浄法です。






























