日本にないのになぜ打つの?狂犬病ワクチンの本当の意味

春になると、狂犬病予防接種の季節がやってきます。
毎年のお知らせを見て、「日本に狂犬病はないのに、どうして必要なの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
まず、狂犬病がどんな病気なのかを少しだけ知っておきましょう。
🔴狂犬病とはどんな病気?
狂犬病は、ラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルス (Rabies virus) を病原体とするウイルス性の人獣共通感染症です。動物病院などではRVと略したりします。主に感染した動物に咬まれることで、人や犬を含むすべての哺乳類にうつります。潜伏期間には幅があり、早ければ10日程度、長ければ1年を超えることもありますが、通常は1〜3ヶ月程度とされています。
発症すると、
・性格の変化
・過剰な興奮や攻撃性
・よだれが増える
・水を怖がるような症状
などの神経症状が現れ、進行すると呼吸ができなくなり、最後には命を落としてしまいます。
とても怖いのは、発症してしまうと、ほぼ助からない という点です。現在でも確実な治療法はなく、「予防」が唯一の対策です。
世界では今も多くの地域で発生しており、毎年たくさんの人が亡くなっています。
🔴日本にないのに、なぜ必要?
たしかに現在の日本では、長いあいだ狂犬病は発生していません。ですがそれは偶然ではなく、予防を続けてきた結果です。
検疫体制や動物管理、そして犬へのワクチン接種が続けられているからこそ、今の「安全」が保たれています。
狂犬病予防接種は、自分の犬のためだけでなく、家族や地域社会を守るための大切な取り組みでもあります。
🔴室内犬でも必要?
「外に出ないから大丈夫」と思われることもありますが、リスクをゼロにはできません。
災害時のびっくりして逃げてしまったり、お散歩の際にリードや首輪が取れて走り去ってしまったり、野生動物と接触するなど、予想外の出来事は起こりえます。万が一に備えることが、結果的に安心につながります。
🔴副反応が心配な方へ
ワクチンに不安を感じるのは自然なことです。特にシニア犬や持病のある子では、慎重に考えたいですよね。
狂犬病予防接種は義務ではありますが、体調を無視して必ず打つものではありません。状況によっては次のような対応が可能です。
☆接種時期をずらす
体調が安定してから接種する方法です。一時的な不調や治療中の子に選ばれます。
☆猶予証明書の発行
重い基礎疾患がある場合など、接種リスクが高いと判断される場合には、獣医師の判断で猶予証明書を発行することがあります。これは「接種しないことを認める正式な手続き」です。
大切なのは自己判断で打たないことではなく、その子にとって安全な方法を一緒に考えることです。
🔴迷ったときはご相談ください
狂犬病予防接種は、理由を知ったうえで安心して受けていただきたい予防です。
・持病があるけど大丈夫?
・去年副反応が出た
・シニアになってきて心配
そんなときは遠慮なくご相談ください。体調や年齢に合わせて、一緒に考えていきましょう。
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今、日本に狂犬病がないのは守り続けてきた結果です。その状態を未来へつないでいくために、毎年の予防接種があります。
大切な家族と安心して暮らしていくために。今年も無理のない形で、しっかり備えていきましょう。
