色とりどりの羽、美しいさえずり、好奇心いっぱいのしぐさ──。小鳥たちは私たちの暮らしに癒しと笑顔を届けてくれる、かけがえのないパートナーです。
近年では、犬や猫に並んで人気の高いペットとして、小鳥を迎える方が増えています。
しかし、小鳥たちはとてもデリケートな存在です。お迎え前の準備や、毎日の暮らしの中で気をつけたいポイント、そして健康を守るための正しい知識が必要です。
このページでは、小鳥との暮らしに役立つ基本的な情報をわかりやすくご紹介いたします。
小鳥の種類と特徴
セキセイインコ(インコ科)

飼育頭数が最も多い人気の鳥種です。好奇心旺盛で、特にオスはおしゃべりや声まねが得意です。カラーバリエーションがとても豊富です。
生息地 | オーストラリア内陸の森林や草原(群れで生活) |
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体長 | 約20cm |
体重 | 30~40g |
寿命 | 8~10年 |
オカメインコ(オウム科)

赤いほっぺと冠羽が特徴です。穏やかな性格ですが、繊細な子も多いです。
生息地 | オーストラリアのサバンナや半砂漠地帯(つがいや少数の群れで生活) |
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体長 | 約30cm |
体重 | 80~100g |
寿命 | 10~15年 |
ボタンインコ(インコ科)

目のまわりのアイリングとずんぐりした体がチャームポイントです。「ラブバード」と呼ばれ、パートナーとの絆が強いです。陽気ですが、神経質で咬む力も強めです。
生息地 | アフリカ南東部(数十羽の群れで生活) |
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体長 | 約13cm |
体重 | 35~45g |
寿命 | 10~12年 |
コザクラインコ(インコ科)

羽色がとても鮮やかで美しいです。ボタンインコと同様「ラブバード」と呼ばれます。性格もボタンインコに似ています。
生息地 | アフリカ南西部(数十羽の群れで生活) |
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体長 | 約17cm |
体重 | 45~55g |
寿命 | 10~12年 |
ブンチョウ(カエデチョウ科)

赤いアイリングとくちばし、大きな黒目が特徴です。スズメの仲間(フィンチ)です。
生息地 | インドネシア(つがいまたは群れで生活) |
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体長 | 約14cm |
体重 | 25g |
寿命 | 10~12年 |
お迎え前の注意点
ご家族にアレルギーや呼吸器疾患のある方がいる場合は注意が必要です。犬や猫、フェレットなど、自然界で鳥を捕食対象とする動物との同居は避けましょう。
ヒナをお迎えする場合は、しっかりお世話をする時間と心の準備が必要です。若鳥の場合は、すでに「さし餌」を卒業した個体を選びましょう。
飼育に必要なグッズ

①ケージ | 体に合った広さのものを。狭すぎるとケガの原因になります。 |
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②止まり木 | 太さが適切なものを選びましょう。止まり木を握ったとき、趾が2/3~3/4程度巻き付けるサイズが理想です。 |
③エサ・水入れ | 深すぎないものを選びましょう。 |
④温湿度計 | 小鳥に適した環境管理のために必須です。 |
⑤体重計 | 1g単位で測れるキッチンスケールがおすすめです。 |
⑥保温器具 | 寒い季節に備えて必ず準備しておきましょう。 |
⑦キャリーケース | お迎え時や病院への通院時に必要です。 |
飼い方のポイント

食事
1日の食事量は体重の10~20%を目安にします。季節や体調(換羽・産卵など)によって食事量を調整しましょう。
人の食べ物や味付きのシード、ビタミン剤入りのシードは与えないでください。
主食
- 混合シード:ひえ、あわ、きび、カナリーシード(カナリアシード)などのブレンド。偏りなく食べているか確認しましょう。
- ペレット:総合栄養食。体調やライフステージに応じて種類を選びます。また、シードを主食とする場合には、下記の副食を必ず一緒に与えてください。
副食・おやつ・青菜
- 小松菜、チンゲン菜、ハコベなど、アクの少ないものを与えます。
- カルシウム源:ボレー粉やカトルボーン(イカの甲)を与えましょう。
- サプリメント:産卵期などには栄養補助が必要です。
- おやつ:果物やドライフルーツ、あわ穂など。与えすぎに注意しましょう。
飲み水
新鮮な水を常に用意し、夏はこまめに交換しましょう。
生活リズム
日の出・日の入りに合わせた規則正しい生活を心がけましょう。夜は真っ暗な状態で眠らせてあげてください。
- 放鳥:1日30分~1時間程度を目安に。必ず目を離さず、安全な環境で行いましょう。
- 日光浴:骨やホルモンの健康に良い影響を与えます。
ケージの管理
1羽に1ケージが基本です。古くなったケージは交換しましょう。剥げたメッキによる亜鉛中毒の危険があります。毎日清掃し、月に1回は丸洗いと日光消毒を行いましょう。
保温
健康な成鳥はケージ内温度20℃以上。ヒナや病気の子は25~30℃を目安に保温します。急激な温度変化は避けましょう。
ビニールカバーを使う場合は、においの強いものは避けてください。
日々の健康チェック
鳥は体調の悪さを隠す習性があります。毎日の観察が大切です。体重や糞の状態、食欲、元気の有無を記録しましょう。
ヒナやお迎えしたばかりの鳥は、必ず動物病院で健康診断を受けましょう。定期検診は1~2か月に1回が理想です。
小鳥に多い病気

- 消化器疾患:そのう内の停滞、吐き戻し、下痢など
- 生殖器疾患:慢性発情、卵づまりなど
- 骨折:放鳥中の事故やケージ内での転倒が原因になる
などがあります。
気になる症状がある場合は、早めに動物病院にご相談ください。
小さな体の小鳥たちだからこそ、細やかな配慮と日々の観察がとても大切です。家族の一員として、健やかな毎日を一緒に過ごしていきましょう。
